英会話学習と英語学習は違う

日本の英会話学習

英会話が上達しない理由

日本ほど英語教育の充実している国はありません。少なくとも義務教育で3年間、
高等教育も含めれば6年間、英語を学習することになります。そして、さらに大学や
専門学校などで英語の学習を続けられる人もいらっしゃいますし、英会話教室で英会話を学ぼうとする人たちも年々増加してきています。独学で英会話を学べるような多種多様な英語教材、通信教育なども年々発達してきています。
 しかし、いざ、外国人に英語で道を聞かれたり、話しかけられたりすると、一瞬にして
パニックになり英語がさっと出てこない日本人が多いものです。外国人から電話がかかってこようものなら、もう大変です。受話器を取って英語が聞こえてきた途端に、頭が真っ白になってしまい、相手の名前も聞かずに応対を諦めてしまう。何を隠そう、数年前の私もそうでした。
 英語の知識はある程度あるのに、英会話となると、ほとんどできない。これが大部分の日本人の特徴です。
 その私が、2年前にひょんなことからアメリカ人の現在の夫と出会い、今ではアメリカのテキサス州で毎日英語を使って生活できてしまっているのです。
 そもそものきっかけは、仕事に疲れて、半年ほど気晴らしに外国に留学しようかと考えていたことです。ただ、現地の語学学校に通うだけでは受身になってしまうことは明らかだったので、外国の小学生に日本語を教えながら留学するインターンシップに参加しようと考えました。留学国にはアメリカかカナダを希望しましたが、どちらの国にもこれまで行ったことがなく、とても不安でした。そこで、インターンシップ協会から、現地のボランティア観光ガイドのメールリストを教えていただき、そのうちの三人に英語で簡単な挨拶と自己紹介を書いたメールを送ってみたところ、そのうちの一人からすぐにメールが来ました。それが現在の夫です。
 その後、アメリカについていろいろと教えてもらいましたが、いつもメールは英語なので、読んだり書いたり、毎回苦労しました。英語で話したり聞いたりする自信はさらになかったため、連絡方法はいつもメールでした。
 翌年、その観光ガイドの家にホームステイさせてもらえることになり、アメリカへと飛び立ちました。アメリカに行くまで、英会話の勉強は「英語を聞き流すCD」の教材を聞くことしかしませんでした。留学する1週間前まで仕事をしていたので、忙しくて、英会話教室に通ったり、外国人講師から直接英会話レッスンを受ける暇がなかったのです。
 実際にアメリカに行ってみると、ネイティブの話す英語はとても早く、20%も聞き取れればいい方でした。みんなが何を言っているのか分からず、こちらも言いたいことが伝わらず、大変苦労しました。
 そこで分かったことは、日本人の私たちと英語を話すネイティブはまず言葉の発し方が
全く異なることです。英語を話すアメリカ人のみんなの口元を見ていると、口の動きはそれほどでもないのに、実際口の中では歯に舌を当てたり、舌を丸めたりと忙しく舌を動かしています。
 また、日本語音と英語音とでは周波数が全く異なります。日本語は世界の言語の中でも周波数の低い領域に属する言語であるのに対し、英語は周波数の高い領域に属する言語です。ですから、いきなり英語圏の国に行った日本人が、ネイティブが話している英語を聞き取れないのは両言語の周波数の違いから、当然のことなのです。
 これらのことに気づいた私は、「日本人が最初からネイティブと対等に英語を話せるわけがない」と割り切りました。そして自分が英語を話すときは、明確に聞こえるよう、ゆっくりはっきりと発音するように心がけました。また、相手の話している英語が聞き取れないときは、遠慮なく「Pardon?(もう一度言ってください)」を繰り返すようにしました。
 今から思えばこれが英会話上達の一歩でした。相手の話している英語が分からないからと諦めたり逃げ出したりせずに、自分の分かる範囲内で聞き取ろうと努力する。そして、
自分の言いたいことは、語彙が不足していても、いろいろな言い回しを持ち出してきちんと言うようにする。
 英会話の学習に熱心な日本人に欠けているのはこの点だと思います。いくら英会話の練習を積んでも、自分の持てるものを全て出して表現するように心がけなければ、臨機応変な英会話力は決して身に付きません。
 幸い、私はアメリカでホームステイした際にこの体験をし、英会話上達のきっかけを掴み取ることができました。